睡眠中は真冬でも一晩で約コップ一杯分の汗をかきますので、衛生面から見ておふとんをこまめに干されることをお勧めします。
カバーやシーツをかけて干すと側生地が日に焼けて弱くなるのを防ぎます。曇りの日は黒い布などで覆って干せば効率良く太陽の熱を取り込めるので効果的です。
取り込むとき、フトンタタキなどで叩くと埃のようなものが見えますが、これは叩かれたことによるふとんの中綿や側生地が傷み繊維片となって出てくるもので、
叩けばたたくほど出てきます。花粉の時期を含め外に干すことでお気になる場合は、ほうきの様なもので表面を軽くブラッシングするように掃くと良いでしょう。ふとん専用の掃除機のヘッドも効果的です。
おふとんは普通シングルサイズで100×200cm、平均8cm位の厚みがあり、“がさばる”という認識があります。
同じ縦横の大きさでも厚さが2cmほどしかない物は“せんべいふとん”、“薄くて寒そう”、“寝心地悪そう”とふとんとしての良さが感じられなくなります。
その為ふとんにはある程度の厚さが見た目の満足感と実際使用した時の満足感の両方から必要になります。
一方でふとんを使用する場合、上げ下げするという行為が通常必要で、毎晩寝る為その労力を考えると軽いに越したことはありません。
この考えから、ふとんには“ふんわり軽い”という要素が求められます。ただその考えを安易に実現しようとしたのが化学繊維綿を使ったふとんになります。
ここで問題です。ふんわり軽い化学繊維綿を3kg入れたふとんと、化学繊維に比べ重い天然綿花を3kgいれたふとんとどちらが重いでしょうか?正解は、“同じ重さ”です。
ただ化学繊維綿は単位面積当たりの嵩が多いので、綿花と同じ分量(重さ)を入れたふとんと比べて同じ重さにも関わらず見た目上のふんわりした(厚みのある)ふとんになります。
これを例えると、化学繊維綿3kgで作られたふとんの厚さが仮に12cm、天然綿花3kgで作られたふとんが8cmの厚みだとすれば同じ8cmのふとんをつくる場合、
化学繊維綿は2kgの分量ですみ、結果的に天然綿花のふとんに比べ同じ厚みにも関わらず1kg軽い物になります。
このことが原因で、化学繊維綿は“軽い”とか化学繊維綿を“混ぜると軽くなる”という誤解が生じます。化学繊維綿は吸湿性が基本的にありませんので、身体の健康を考えると“軽い”だけの判断は好ましくありません。
通常、クリーニングというとドライが一般的ですが、ふとんの場合ドライクリーニングなどの石油系溶剤を使用した洗浄は側生地を傷めるためおすすめできません。
また、ふとんは中身(中綿)があるため表面だけ綺麗にするクリーニングは衛生面から見ても疑問が残ります。
そこでおふとんのクリーニングは丸ごと水洗いがお勧めです。大きな専用洗濯機でおふとんを丸ごと水洗いしますので表面はもちろん中身まできれいに洗浄され、
最後は高温で乾燥させることで殺菌作用の効果と湿気がなくなってふんわり軽く仕上がります。
特に、小さいお子様のお粗相による汚れは表面だけ綺麗にしても中身にしみ込んだにおいまでは取れませんから、衛生面で考えると水洗いが大変お勧めです。
おふとんの水洗いは2~3年に一度されると綺麗な状態が保てます。
日中の普段の生活では首や肩に違和感を感じる方は少なく、夜寝て朝目が覚めたら首や肩に痛みやしびれといった違和感を感じる方が多いのはなぜでしょうか?
それは睡眠中の寝姿勢が原因の一つです。
毎晩、約6~7時間のお休みの中で寝返りを含めていろいろな体勢で睡眠をとっています。日中(意識がある)でも変な(無理のある)姿勢を30分もとっていれば体の一部が痛むように、
睡眠中の変な寝姿勢が目覚めた時の首や肩の痛みの原因になっていることが多いのです。
仰向け、横向きどちらでも良い寝姿勢が保て、寝返りがスムーズになるその手助けの一つがまくらです。体格や筋肉のつき方は人それぞれ、まくらも自分にあった高さの物を使用することが健康維持への近道です。
いびきは仰向けで寝ている間に舌や喉周辺の筋力が緩んで気道を狭くすることで起きます。特に高齢者は若い時と比べて筋力の低下が原因のいびきが多く見受けられます。
いびきはベッドパートナーなど周りに迷惑をかけることが問題ですが、それ以上に睡眠時無呼吸症候群を併発している可能性が高いので厳密な対処を考えることが重要です。
まくらの高さである程度いびきを軽減することは可能ですが、肥満による首周りの脂肪増大や就寝前のアルコール摂取など生活習慣が問題の場合も多いので、トータルな対処が必要です。
身体にとって楽な寝姿勢が保てるまくらは重要ですし、横向きの場合はいびきをほぼなくすことができるので、横向きでのまくらの高さも大切です。あまりにいびきが酷い場合は専門医による診断および処方が大切です。
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