快眠を支える方法は色々ありますが、「音」を工夫することも有効な手段です。当然のことながら不快な音、夜中の大きな音、不審な音などは眠りが妨げられる原因になります。反対に、快い音はいつのまにか眠りに誘い、安眠を促してくれます。
古今東西を問わず、愛用されているのは「子守歌」です。これらの歌はメロディが比較的単調で繰り返しが多く、歌い手は覚えやすくて歌いやすいく、聞き手は刺激が少なくて飽きやすいのが特徴です。赤ちゃんや子供は、聞いているうちに刺激が少ないためリラックスする一方、単調なメロディに飽きてきてすやすやと寝付いてしまいます、一種の条件反射になっています。
大人の場合でも、この効果は本質的に同じで、快い、懐かしい、聞きなれた、癒されるなどの音楽は入眠剤の役割を果たしてくれます。一方、新しい曲、嫌いな曲などは刺激が強すぎて覚醒効果にもたらしてしまいますし、あまりに素晴らしく魅力的な曲は、その音自体に引き込まれてしまい感動で心が良い意味で乱されるので、入眠剤としての効果は望めません。あくまで単調であることが重要です。乱暴な話ですが、耳障りであっても度を越えた強烈な音楽は、入眠効果を得られる場合があります。非常に激しいヘビメタを赤ちゃんに聞かせると、眠りにつく確率が高いという実験結果があるそうです。これは脳が拒否反応を示し、そこから逃れたい一心で睡眠に逃げるという逃避心理がそうさせるというものです。でもこの方法で眠らされる赤ちゃんにとってはたまったものではないですね。さらに蛇足ですが、大のヘビメタファンはこのような曲でもお気に入りで心が休まるのなら、眠れるかもしれません。
また、空調、冷蔵庫、放送の終わったラジオやTVから流れるザーザーというだけの音を「ホワイトノイズ」といいますが、この音は雑音として認識されません。同じように「1/fゆらぎ」といわれる独特の変動がある音を「ピンクノイズ」といい、自然界に普遍的で「癒し」の効果があるとみなされています。これらの音は別の音を遮断する「音のカーテン」効果があります。高速道路や空港周辺のホテルでの宿泊時、意外に車や飛行機の騒音を気にせず眠れたという経験はありませんか?これは室内の空調や冷蔵庫からでるホワイトノイズが騒音を打ち消してくれているのです。同じようにしとしと降る雨の時や、しんしんとふる雪の日も雨や雪の降る音がピンクノイズとなって外の雑音を吸収してくれるおかげです。さらに雨や雪の降る音はそれ自体が癒しの効果を備えた、体の中のDNAに刻まれていて、どこか聞きなれた馴染みのある自然界の快いメロディになっています。
以上のように睡眠は個性豊かなものですので、自分にとって心地よく眠りにつける音を上手に探して、毎晩の快眠に役立てることが大切です。
ちなみに、睡眠学習は効果があるのでしょうか?睡眠時間を使って効果的に語学の勉強ができると、上手な謳い文句でよく目にします。効果のほどはまた何かの機会で述べたいと思います。
2016年06月10日
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