今週読んだ本です。人の眠りは二つの基本法則で調節されています。第一の法則は「睡眠は毎日繰り返されるリズム現象であり、脳内の“生物時計”に管理されている」というもの、第二法則は「睡眠は、寝る前に脳がどれだけ睡眠を必要としているかによって質と量が調節される」というものです。簡単に言えば毎日だいたい同じ時間に眠くなり同じ時間に目が覚めますが、どれだけ覚醒していたか、また覚醒時にどのように活動していたかによってそのあとの睡眠の質と量が決まるということです。ですから同じ人間でも覚醒時の活動内容によってその日の睡眠の内容が異なってきます。つまりは脳の状態に対応して眠りが調節されるということです。さまざまな快眠グッズがありますが、人によって睡眠自体が異なり、さらには同じ人間でも睡眠が異なるので快眠グッズを鵜呑みにしてはいけません。特に現代は心理的、精神的、さらには家庭的、社会的な要因でストレスを感じていて、第一法則の生理的な要因よりも第二法則による睡眠の質への影響が問題になっています。
そのような中、少しでも快眠できるように様々なアプローチがありますので、ご参考になれば幸いです。
入浴:睡眠は体温リズムと密接に関係しているので、体温の上昇時は覚醒方向に、下降時は眠気を感じるので、寝る直前ならぬるま湯もっと前なら少し熱めの湯で入浴し、体温の下降時を利用すると入眠しやすい。
寝室環境:寝室の温度、湿度、遮光、遮音、防風、防臭、防塵、防虫などを工夫すると良い。なぜなら感覚刺激が眠りを妨げてしまうからで、感覚入力が無くなると眠気が増してくる。特に光は本来真っ暗が良く、少しの光でも睡眠ホルモンのメラトニン分泌に影響がでる。しかし夜間の洗面所などの場合は真っ暗だとかえって転倒などの危険が増すので、間接照明等で工夫すると良い。臭いや音は個人差があるので、各々いろいろ試す必要がある。
寝具環境:一般的に寝床内の温度は33℃、湿度は55%が快適に眠れる状態です。化学繊維の物でなく、少なくとも一番肌に近いものには綿やウールなどの天然素材でできた寝具が良い。また寝間着も同様、長袖・長ズボンで天然素材が良く、暑いからといって半袖など肌を露出すると汗の吸湿放出ができず返って暑さを余計に感じてしまう。
目覚まし時計:一般的に人の睡眠サイクルは90分の為、就寝時刻の90分後を起床時間として目覚ましをセットすると起きやすい。(90分は個人差があるので各々試す必要がある)
睡眠前の飲食:一般的には食べ物が胃にあると良い睡眠はとれないが、空腹で眠れない問こともあるので、そういう場合はホットミルクが良い。アルコールは寝つきを良くするが、次第に耐性がつき量が増える可能性があるのでおすすめできない。
睡眠時間:人の睡眠時間は人それぞれ。8時間睡眠に化学的根拠は全くなく、日中過度の眠気に襲われなければその睡眠時間で大丈夫。ちなみに、新生児では女児のほうが男児よりも動睡眠(いずれレム睡眠として発達していく状態)が多く、若い成人では女性のほうがノンレム睡眠の電圧が高い。更に中高年になると熟眠に相当する深いノンレム睡眠が女性に多いため、睡眠の老化現象は女性のほうが程度が軽い。しかし生物時計が進みやすく起床時間が早くなる傾向が男性より著しい。この為、客観的な指標では女性のほうが睡眠状態は有利であるにもかかわらず、主観的な睡眠障害を訴えるのは女性に多い。この現象は世界的な統計からも示されているが原因は定かになっていない。ライフサイクル上での生理的、心理的、社会的変化が影響するのかもしれない。特には女性ホルモンの影響が大きいとされているので、世の中の男性のみなさん、女性にたいしては感情的ではなく化学的理解のある対応が求められます。
2014年11月14日
〒192-0053
八王子市八幡町11-1
TEL:042-625-1155
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日