今週読んだ本です。結構ページ数が多く２週かかって読み終えました。松岡書房の青木ご夫妻、良い本をご紹介いただきありがとうございます。(*^^)v １９９５年１２月発行なので現在の医学の見地からすると少し古い情報になりますが、メラトニンホルモンの基本がいろいろ書かれていてとても勉強になりました。睡眠ホルモンメラトニンは脳の中の松果体という、形といい大きさといいトウモロコシの粒にそっくりな器官から分泌されます。松果体は人間の体の中で一番最初に完成し受胎後わずか三週間ではっきり確認で…きる器官です。ところが以前までは松果体は盲腸と同じように進化の名残というのが定説で、医学上では全く重要視されず（現在は松果体も盲腸もその汚名は返上しています）、そこから分泌されるホルモンのメラトニンは存在確認はされていたが、せいぜいカエルの皮膚の色を薄くもの程度の認識しかなかったそうです。しかし、現在メラトニンには私たち人間の健康にとってとても重要な役割があることが証明されています。そもそもメラトニンは３０億年以上前に進化したもっとも原始的な単細胞の藻類から人にいたるまで、どの有機体を見ても分子構造は全く同じで、生物学上、異なる有機体の分子構造が同じということは極めて珍しく、それゆえ、生命維持に共通して必要な分子であることが証明されています。さらにメラトニンはサーカディアンリズム（地球の一日約２４時間のリズム）にしたがって生成されており、日中よりも夜間に多量に作られ、動物、植物、藻類すべてがこの生成サイクルを守っている。つまりメラトニンは万物共通の物質で、分子構造は同一、さらにサーカディアンリズムにしたっがっている事実から、メラトニンはあらゆる細胞の生態において基本的な役割をはたしているという結論に至ったそうです。メラトニンの具体的な効果は、ウィルスや細菌の撃退、質の良い睡眠の確保、時差ぼけの軽減、心臓病の回避、生物リズムの調整、そしてガンから身を守る効果が間違いなくあるとのことです。まず睡眠ホルモンであるメラトニンはその名の通り睡眠の質を向上させます。ある実験では、0.1ミリグラム（数粒の塩の結晶）というごく微量でも服用すると眠りの質が飛躍的に向上したそうです。そのため「ジェット・ラグ」いわゆる時差ぼけにとても効果的でなおかつ、副作用が全くと言っていいほど無いとても安全なものです。アメリカでは普通にドラッグストアでなおかつ安値で手に入れられるようです。次に非常に高い抗酸化作用があることです。そもそも原始の時代にはまだ地球上に遊離酸素が存在せず、酸素を必要としない単細胞生物が太陽光で光合成をおこなって活動し、その廃棄物として酸素が生み出されました。酸素がたまってくると進化の過程で好気性（酸素を必要とする）有機体が活動力を増し徐々に数を増やしていった。好気性の有機体は生命活動の際、酸素を使ってブドウ糖のような有機体の分子を効果的に使えるようになった半面、フリーラジカルという酸化された老廃物を体内に作るようになった。フリーラジカルは分子を変形させ、細胞膜に穴をあけ、ＤＮＡを損なう力を持っていて、有機体は生き延びるためにそのフリーラジカルから身を守らなければならず、そのために抗酸化物質を体内で生成するようになった。その抗酸化物質の生成にもメラトニンが基本となっていることが証明され、前述のあらゆる細胞の生態の基本分子であると同時に抗酸化物質の生成とそれゆえの免疫ホルモンとしての役割を持つに至った。空気がきれいで公害など皆無で自足自給で有機栽培の野菜を食べていても、酸素を吸って日光を浴びるだけで体内にフリーラジカルが発生し体にダメージを与えていきます。その日々のダメージは老化という現象を招き皮膚表面は肌を守っているコラーゲンが蝕まれ、体内ではさらに深刻ながん細胞の発生を生み出しています。このまま寿命を縮めるわけにはいかないので、抗酸化物質が常にフリーラジカルを攻撃しています。事実、われわれ人間の体内では常にメラトニンがＬＤＬコレステロールの酸化を防ぎ、さらにはがん細胞の抑制を行っていることがわかっています。抗酸化物質は二種類あり、食物で接種出来るものと体内で生成されるものです。メラトニンは体内で生成できる天然抗酸化物質なので、その分泌を阻害することは自ら健康を害しているのと同じです。メラトニンは夜分泌されますので、しっかり眠ることは健康維持に必要最低限なことです。皆さん、どうぞ良い眠りで健康と若々しさを保ちましょう。(*^^)v