今週読んだ本です。ここのところちょっとサボり気味でしたので、新たにスタートです。ご存知脳科学者で有名な茂木先生執筆です。私たちの睡眠は文明と共に進化を遂げてきました。特にこの100年間で最も変化を遂げてきた物の一つが睡眠です。その結果として驚くような発見や智慧を生み出す一方で、不眠症や生活習慣病が社会環境と相まって多くなってきたことも否めません。そこで現代を生き抜く為の一つの戦術として”睡眠イノベーション”を起こすことが大きなアドバンテージになると考えられています。事実、良く眠ったと感じた朝は頭がすっきりしてやる気に満ちています。NASAは宇宙飛行士の睡眠不足による作業効率の低下や万が一の事故を防ぐため、宇宙飛行士一人一人の睡眠サイクルを管理しています。(スペースシャトルチャレンジャー号の事故は作業員の睡眠不足による点検ミスが原因と言われています)。
そこで睡眠イノベーションを行う方法の一つに自身の“睡眠しきい値“をアップさせることが挙げられます。“しきい値”とは物理学や工学の世界で使われる用語で、何か意思決定するための基準や境界値です。人により適切な睡眠時間はさまざまですが、その適切な睡眠時間で睡眠効率を上げる、つまりは熟眠感を上げるという意味でのしきい値アップの方法は、日中脳と身体に適度な疲労感を与えるというものです。つまり1日1日を充実感と疲労感を感じながら生活し、「今日も1日やりきった」という満足感を得ることで満足ドーパミンが脳に放出され、しきい値アップが熟眠感アップにつながります。さらに重要なのが「今日の良かったこと」を思い返すことがとても効果的です。
ただ、現代社会の生活ではやるべきことがたくさんあり、なかなか寝付けない夜も多いことでしょう。そこで有効なのが脳の“デフォルトネットワーク”を起動することです。通常、人間の脳は何かに没頭していたり考えたりしているときには活発に活動していますが、このデフォルトネットワークだけは何も考えない時に活性化するのです。睡眠というのは、脳が外部から入ってくる情報にいちいち反応することなく休息およびメンテナンス状態になることなのでいかに頭の中を空っぽにできるかが睡眠準備として大事になってきます。
多くの方にとっては早朝の時間というのは比較的されにも邪魔されない貴重な時間ではないでしょうか。そこでライフスタイルにイノベーションを起こすためにこの時間を決まった作業や行動などルーティン化にすると、“脳の引き込現象”という脳が余計なエネルギーを使わず、かつより集中した状態になることで効率が大幅にアップします。力士の取組前の同じ動作やイチロー選手の打席に入るときの同じ動作は脳の引き込み現象を利用しています。また、早朝はクリエイティブな仕事に効果的であるといわれますが、日中いろいろな仕事をこなしている脳の状態は、前頭葉の切り替えの回路がすでに他の仕事の目的のために活動してしまっているので、それを改めて創造性に切り替えることは意外と難しいからです。その意味からもクリエイティブな仕事に限らず早朝の時間仕事をこなす上で非常に重要で、まさに早起きは三文の得とは脳科学的にも証明されたことになります。
2014年04月20日
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