今週読んだ本です。女性は月経を迎える頃から一生を通して、男性よりも睡眠についてのトラブルを抱えることが多くあります。まず思春期に女性ホルモンの分泌が急激に高まって月経が始まりますが、この世代から月経前に睡眠の質が低下する人が少なくありません。次に妊娠、出産、授乳を経験すると、その間の女性ホルモンの激しい変化に影響を受けて睡眠のリズムが乱れます。40歳頃になって徐々に卵巣の退縮が進み、更年期を迎える頃には閉経に向かって女性ホルモンの分泌リズムが変調をきたし、寝付けない、夜中に目…が覚める、昼間に眠くなるなどといった睡眠障害が出始めることがあります。さらに閉経すると女性ホルモンのエストロゲンの分泌少なくなり、その後に迎える長い高齢期では、月経の影響は無くなりますが、加齢による代謝力の衰退、血流の弱まり、骨粗鬆症による骨量の減少などに影響を受け、睡眠の質が変化します。思春期の女性は身だしなみにかける時間が多くなりますし、結婚、出産を経験すると家事や育児にも多くの時間を取れれます。また、仕事をお持ちの女性はさらに時間がなくなり、すべては睡眠時間の減少を招きます。また、時間に追われることで強いストレスを感じ、それがさらに不眠等の睡眠障害に影響を与えます。そこで女性の身体の変化をきちんと認識し、ご自身も周りの方も睡眠障害に対して正しい知識を持つ事が重要です。月経周期はおよそ28日ですが排卵の準備期間である卵胞期と排卵後の黄体期に分かれます。黄体期は女性ホルモンのプロゲステロンが増加し、受精卵が子宮内で育ちやすいように子宮内膜を整えますが、受精~妊娠が成立しないと分泌されなくなります。すると子宮内膜がはがれ、月経血となって排出され次の排卵の準備がはじまります。プロゲステロンは基礎体温を上げる作用があり黄体期は卵胞期より0.5度位高くなるため、体温が下がって睡眠を誘うことがさえぎられるため、夜の睡眠に影響が出てきます。また、眠りを誘うメラトニンの分泌低下しているとの報告もあり、このことが原因でさらに睡眠の質が低下します。また、日中の活動をつかさどるセロトニンの分泌も減ることで、イライラしたり落ち込みやすくなったりするようです。以上のように月経前は特に睡眠の質が悪くなるのですが、これは女性ホルモンの分泌の変化によるものなので、あまり気にせず、気持ちを大きくもつことが大切ですし、このような女性ホルモンの分泌による変化が女性にはあることを周りの男性達はよく理解して、女性に優しくすべきですね。女性は買い物したり、美味しい物を食べたりしてあまりストレスを溜ないようにし、朝は良く太陽の光を浴びて、夜は身体を温めてリラックスする事が大事ですし、男性は心を大きく持ってパートナーに優しくすることがとても大事です。